8月に「夢へのバトン『一生涯材料屋』」を寄せて下さった、佃 市三さんの木工芸の木彫り作品を「みんなの工作博物館」の「匠の技」に掲載します。
木工芸の木彫りの面白さ
退職後の余暇を利用して、木工芸の木彫りを楽しんでおります。
下の写真がその一例です。主な材料はけやきです。けやきは木目が美しく、乾燥すれば硬くて高精度な加工ができる高級材で、神社仏閣などの建築材として用いられております。
木製の文鎮
けやきという木材で作った、文鎮です。けやきは木の中でも重いほうですが、文鎮としては少し軽すぎます。
この文鎮の比重は4.8です。けやきの比重は約0.7ですから約7倍に重くすることが出来ました。
種を明かすと中に比重の大きい金属を入れました。
ペーパーナイフ
けやきの硬さを利用してペーパーナイフを作りました。
使いやすさと造形美から中央部にくびれを入れたいと思い、この部分にハイス鋼を心金として入れました。いわゆる複合強化によって、木の質感と機能性を高めました。封筒の開封作業が安全で優雅に行えます。
スマホケース
質感といえば手触り感のよい木製のスマホケースを作りました。
スマホを木のソリを利用して挿んでおります。木のソリは、乾燥によって木表(木の表面側)が木裏(木の中心側)よりも縮みやすいため生じます。木表を表面側に切り出しているため、使っているうちにスマホがケースから抜けることはありません。
手に持った質感がお届けできないのが残念です。
佃 市三(つくだ いちぞう)
金属工学科を卒業後、アルミニウムメーカーにて研究員として勤務
退職後、母校の産官学連携センターに勤務し、技術のシーズと、企