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工作記事に「単2電池」を使うと書いてありますが、家には単3電池しかありません。単3でもいいですか?
メイカーの工作支援のやり取りの中から、乾電池のおはなしをピックアップします。メイカーの調査で今後も更新されていく予定です。
最終更新:2020年8月25日
乾電池の話(1)
乾電池
乾電池は、使い捨ての一次電池と充電して繰り返し使える二次電池があります。
使い捨て電池を使っている機器は、電池を交換して使い続けるので、メーカーが違っていても安心して使えるように、形状(サイズ)や出力電圧の基準が決められています。
電池と呼ばれている「単3」はその通称です。
日本の一次電池の規格は、JIS C 8500です。
乾電池の種類(円筒型乾電池)
●マンガン乾電池
記号:R、UM、SUM
サイズ:単1~単4型、角形9V
用途:小さな電力で動く電気機器(時計、懐中電灯など)か、大きな電力を瞬間的に使う電気機器(着火装置、リモコンなど)
特徴:使い続けると電圧が下がるが、時間を置くと回復する。
●アルカリ乾電池
記号:L(LR)
サイズ:単1~6形、角形9V
用途:ヘッドホンステレオやポータブルMD、携帯ラジオ、強力サーチライトなど大きな電力を必要とする機器
特徴:マンガン乾電池の約2倍以上長く使えます。使用中に電圧が下がりません。
●酸化銀乾電池
用途:腕時計や電子体温計などの精密機器
特徴:最後まで電圧が一定(用途の理由)
●リチウム乾電池
※リチウム乾電池として一般的なのは3.0Vの電圧を出すボタン電池。
マンガン電池の10倍の容量を持ちます。
少ない電流を長時間流すような用途向きです。
ボタン形電池
直径よりも高さが小さな電池をボタン電池と呼びます。
ボタン電池の記号:R
●酸化銀電池
記号:S(SR)
用途:腕時計等
●アルカリボタン電池
記号:L(LR)
用途:ゲーム機、デジタル体温計
ボタン電池のサイズの規格
ボタン電池のサイズは、国際規格で3種類決まっています。
規格 | 外径 (円形の直径) |
高さ |
41 | 7.9mm | 3.6mm |
43 | 11.6mm | 4.2mm |
44 | 11.6mm | 5.4mm |
●リチウムコイン電池
特徴:ボタン電池(SR,LR)に比べ、約2倍の3V電圧。自己放電も少ない。
用途:携帯ゲーム機、時計、電卓、歩数計など
電池の記号を読み解こう
たとえば、「LR41」という記号が書かれた乾電池は、どんな電池でしょうか?
L:アルカリ乾電池
R:円筒形
41:国際規格の41(直径7.9mm×高さ3.6mm)のボタン電池
ですから、
「国際基準41型のアルカリボタン乾電池」
というわけです。
さいごに
使っている電池で動く機器の電池が切れても、その電池のメーカーなどを気にせず、電池の種類とサイズだけの情報で安心して電池交換できるのは、国際規格(日本ではJIS規格)で決められているからです。海外に日本の電池で動く機器を持って行っても、対応する国際規格の電池を使えば、海外の電池で安全に動作します。(海外旅行に電池を大量に持って行かなくてよいのは助かります!)。
皆さんの持っている電池の記号を調べてみましょう。上手く電池の名前を当てることができますか?
次回の「乾電池の話(2)」は、充電池のお話です。
参考にしたサイト一覧
https://www.baj.or.jp/kind/
http://www.baj.or.jp/qa/entrance.html