Maker’s Clubみんなの工作博物館
子育て

【創る親子の物語】電気工作と過干渉。お母さんの気づきは自分の時間へ。

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2019-12-31

Maker’s Clubでは、集団教育に馴染みにくいこどもたちとその親御さんを対象に、

モノづくりを通じた、心の成長と原理原則のモノづくり基礎理論の体験的学びを支援しますゆめみる宝石

前回のブログでは、

こどもの支援のためには、

「親を支える」ことがこどもの支援と同様に必須なことについて書きました。

今日は、ある一つの領域に高い集中力を持つおこさんとそのお母さんの

「Maker’s Club創る親子のものがたり」をご紹介して、

尖った個性を持つこどもとその親御さんに起こること、そして、その支援について理解を深めたいと思います。

※内容は、個人を特定できない形にアレンジしていることをご了承ください。

一つの領域に高い好奇心と能力を持つお子さん(ここでは、J君と呼ぶことにします)と

お母さんの小さな物語「Maker’s Club創る親子のものがたりふんわり風船ハート」です。

J君は中学生。電気工作が大好き。電気工作を始めると夜中でも作業に夢中で起きています。

学校では、忘れものばかりで平常点は最下位。

授業もほとんど聞いていません。

IQが高いため、今までは、先行学習の貯金で乗り切ってきましたが、そろそろ息切れ状態。

冬休みの保護者懇談では、

「お子さんにとって、今、何が大切かをよく考えて下さい」

と担任から言われてしまいました、、、。

お母さんは、考えます。

「息子にとって、今何が一番大切か?」

これは、とても深い問いです。

お母さんは、小さな時から、集団とうまく行きにくいお子さんを全力投球で守ってこられたのだと思います。

良かれと思ってではあっても、結果的にこどもを傷つけるかもしれない環境や影響から守り、

こどもの興味関心を最大限伸ばせる場所を求めて、自分の時間のすべてを子供に使ってこられました。

いつも、こどもを気にかけ、できないことをできるかぎりできるように支援してきた。

肩代わりするのはよくないから、本人がするのを手伝う。

過保護にならないように厳しく接しもする。

お母さん自身も、本当ならもっとこんなことができるのに、

もっとこういうふうになれるはずなのに、

という歯がゆさを持ちながらも、こどものペースを大切に思って、内に抑える。

成績低下を見ながらも、押し付けの勉強ではなく、自らが必要と感じて学んでほしい、

頭を使って考える自分の夢に繋がる電気工作を応援したいと、

葛藤の中で見守ってきた。

そんな中で、担任からの「今すべきことは何ですか?」という批判的な言葉にさらされる。

生活面の支援のことを、「過干渉」と責められる。

中学生並みの自立を確立するために、「親の子離れ」を、と。

過干渉。

その言葉を、特に集団教育に馴染みにくいこどもを持つ親御さんに

十分な聞き取りをすることなく使うことは、私は厳に慎むべきと考えています。

過干渉のように見える支援に至るまでのお母さんの苦労を心情をきちんと汲み取ることが大切です。

これまで、わが子を守るために、しっかり握って離さずに来た「心」の結果なのです。

こどもが安心できる場所で、親も安心して、その「心の手」を少しだけ緩めてみることのできる場所。

そういう場所が、「過干渉」のように見えるお母さんには必要なのです。

過干渉かどうかではなく、お母さんの気持ちに寄り添うだけでいい。

お母さんの心の中には、すべてが入っている。

お母さんのペースで少しずつ自分の心の声に気づいてみる、実践してみるのを見守ってくれる場所。

そいういう場所を用意するだけで、あとは、お母さんは大丈夫。

そして、

そういうお母さんに支援してもらっているこどもたちも大丈夫。

Maker’s Clubはそういう場所でありたい。ゆめみる宝石

たくさん考えて、こどもとも話し合って、Maker’s Club子育てキャリアカウンセリングを経て、

お母さんは、今、ひとつの答えにたどり着いています。

少しだけ安心して、自分の時間を作ってみよう。

これは、お気づきの通り、結論ではありません。

お母さんの子育てに関する直接的な行動指針でもありません。

これは、お母さんとこどもの関係の変化へのお母さん自身の「気づき」です。

頭で考えて、こうしよう、と思っても、心が苦しい。

心の見方を変えてみる。

そのことで、自然に、今の心に沿う形で、何かが変わる。

お母さんが変わることで子どもも変わる。こどもが変われば、環境(人の心や動きも含めて)が変わる。

そして、その時、もう一度、立ち止まって、次にどうするか、考えればいいのです。

Maker’s Club子育てカウンセリングは、答えを見つけることが目的ではありません。

効率は求めないし、試行錯誤のプロセスも大切にします。

本当の成長は、失敗の中にあることをMaker’s Clubの親御さんは知っています。

こどもにもそうであるように、自分自身にも試行錯誤を認めてあげて欲しい。

そのプロセスは、楽しい時も大変な時もあることを私は知っています。

こどもたちのことをお母さんが見守り支援するのと同じことを、

おかあさんたちをMaker’s Clubと私が見守り支援します。

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