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聴かせて先輩!プロジェクトVol.1重機メーカー設計者

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ものづくりを通じて夢を実現するための考える力とタフネスを育てる聴かせて!先輩 プロジェクト

今月の先輩メイカー

重機メーカー・設計技術者 石田あずささん
      「エンジンのテストとプロの仕事」

概要

2020年5月30日(土)15:00-16:30 先輩技術者への取材準備
2020年5月31日(日)15:00-16:30 先輩技術者を招いて座談会&交流会

内容

  • 第1回:先輩技術者への取材準備
    • 体験談の紹介スライドを見て、知りたいことをみんなで話し合う。
  • 第2回:先輩技術者に直接質問&交流
    • 第1回で準備した知りたいことを先輩に尋ねて、お話を聞く。
    • 技術者のお仕事や、こども時代のことなどを語り合う交流会をする。
  • 参加形態:zoom

エンジンのテストって?プロって?

技術者の石田あずささんは、「毎日ブルドーザーの運転がしたい」という大型車両へのあこがれを胸に、仕事を始めましたが、担当することになったのは、それとは違う、「エンジンのテスト」でした。ブルドーザーが動くのは強力なエンジンがあるからだと気持ちを切り替えて、エンジンのテストとの奮闘が始まりました。

会社の上司は、「我々はプロの集団だ」といつも言っておられたそうです。そのような環境の中で、石田さんは、アメリカ本社のエンジン開発センターの「エンジンのテストのプロフェッショナル」のブルースに出逢い、「プロ」とは何なのかをしることになるのです。

さぁ、プロフェッショナルってどんな人なのでしょう?
エンジンのテストってどんなことをするのでしょう?

聴かせて!先輩。

アメリカのエンジン開発センターについての質問

Q.アメリカのエンジン開発センターで驚いたことは何ですか?
A.アメリカのキャタピラジャパンのエンジン開発センターにあるものは,とにかくスケールが大きいんです.ビックリするぐらい,すべてのものが広くて,でかいです.
  緊急発電用のエンジンには,一個のエンジンがビルぐらいの大きさのものもあります.大きなエンジンのテストの準備には,クレーンを使います.
  色んな場所もあります.ショベルのテストのブルドーザーが一日中走り回っている場所もあるし,冷凍庫のお化けもあります.
  それに,色んなものだけじゃなくて,色んな人,いろんな専門の人がいます.
Q.石田さんがプロだと思ったアメリカのエンジン開発センターのブルースはどんな人ですか?
A.  アメリカのエンジン開発センターのエンジンのテストのプロフェッショナルのブルースは,自分の知識をひけらかすようなことは決してしなくて,何でも教えてくれて,スタッフの人達みんな(おそうじのおじさんとも)と同じように接するカッコいい人でした.
  ブルースは,周りの人を尊重して,「僕に何でも聞いてくれれば,君を助けるよ」と言ってくれる大きな存在でした.
  私の目指したいプロです. 

夢は? プロとは?

Q.夢は何ですか?
A.   アメリカ本社のエンジン開発センターのブルースのチームでもう一度一緒に仕事をすることです.
 そこで,私が成長しているところを見てもらいたい.今はエンジンのテストの仕事ではありませんが,自分に与えられたことを一生懸命しています.みんなに,いい仕事をしてもらえるようにするのが今は自分の仕事になっています.
 会社では,年に1回自分のしたい仕事について書くことができるのですが,私は,「アメリカのエンジン開発センターでエンジンのテストをしたい」と20年以上ずっと書き続けています.いつか夢をかなえたいと思っています.

Q.石田さんの思うプロは?
A.    プロには,いろんな種類の専門家がいます.エンジンだけではなくて,ショベルのプロ,ホースのプロもいます.建設機械は,とても大きなものです.このもっと大きなものができるために貢献する一人ひとりのプロがいます.そう考えると,建設機械は,専門的な技能を持ってそこの担当分野の責任を全うできる人が集まらないと良いものにはなりません.
  そういう意味では,製造業のプロは,無限に居ないといけないんです.部品の一つ一つにプロがいるんです.2万個の部品からできているエンジンは,2万人のプロが集まって作っているんです.
  プロというのは,自分の責任を持つ専門知識があって,良いものが作るために力を出し切る人のことだと思います.
 人としてどうか,ということが大切だと思います.人をいかに引き付けられるかも含めてプロフェッショナルだと思います.
  ノーベル賞を取る人たちのことをプロだと思っているかもしれませんが,ノーベル賞は一人では取れません.そのノーベル賞を取った人に協力してくれる人がいないと,ノーベル賞はとれません.
本物のプロのブルースに出会って思ったことですが,みんな好きなものがあって,それを極めて,自分自身がそれを持って,世の中でやっていけるようになって,でも,その知識や技術を鼻にかけたりせず,さらにその先に行ける好きなことを究めていると.

ひとつのエンジンは,2万人のプロの技術でできている

 

一般には,エンジンは2~3万個の部品からできていると言われています.みなさんのおうちの乗用車のエンジンも2~3万個でできています.
  個数の数え方は難しいです.ピストンを動かすところの部品ひとつとって考えてみましょう.この小さな一つの部品は,ベアリング,ナットなどたくさんの部品からできています. 
  部品だけではなく,これを加工に関する技術, 組立の技術なども合わさって,エンジンができています.一つ一つの技術のプロが集まって,一つのエンジンを作っています.言い換えると,20000人のプロの技術が積み重なって,エンジンの性能,たとえば,燃費が良くなるとか,寒いところでも車が走るとかが実現するわけです.
  プロフェッショナル一人ひとりが,自分の専門技術を改善して,エンジンがよりよいものになるのです.

感想

未来のメイカーたちの感想

  • 色んなプロがいるんだなと思った。
  • 凄いなと思った。
  • 科学のプロだと思いました。
  • 技術者の話をまた聞きたいです。
  • 知らない世界と、そこでプライドを持って働くプロは格好いいですね。興味がなかった世界でも、全く知らない世界を少しでも知れたのは面白い事です。やはり子供には触れる機会は大事だと思いました。

未来のメイカーの応援団(保護者)の感想

  • プロの心意気と言うか考えがその人からにじみ出ている感じがします。
  • プロはスーパーマンでないこと、最初からプロだったわけではなく、色んな出会いと経験からなるものなのかなと感じました。
  • 息子は、プロ(匠)は今まで刀や家を作ったりする人をイメージだったようですが、今回、色々な種類のプロがいることを知ったようです。

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