以前、「ロープむすび ~命を守る技術~」が掲載されました。
ロープ結びは、とても便利な技術ですが、Make’s Clubメンバーから「ロープとか、何に使うか分からない」という声がありました。
確かに、先のサイトで例に挙げていた「ロープの活用例」は、「川でおぼれている人にロープを投げて助ける」でした。これは、さすがに、非日常でした。
そこで、ロープがどれだけ便利かということの紹介として、「立ちかまど」を作ることにしました。
竹とロープだけで作る「立ちかまど」
「立ちかまど」の模型
写真は、割りばしで作った、「立ちかまど」の模型です。
「立ちかまど」は、竹などをロープで組んで、地面から50cmぐらいのところに、台を作り、その上に、土を盛って地面のようにして、その上で、煮炊きできるかまどを作る、というものです。
しゃがんだりしなくて良いので、便利で楽です。
立ちかまどの模型の作り方
「立ちかまど」は、長さは特に決まってはいませんが、2mぐらいの竹を使ってつくります。
実際の「立ちかまど」の材料は、
- 竹
- ロープ
だけですが、ここでは、模型ですので、
- 割りばし
- タコ糸
を材料にすることにします。
棒材の長さは、以下の通りとしましたが、全部同じ長さでも大丈夫作れます。
ここでは、次のサイトを参考にして長さを決めました。
材料
サイズは、1/10スケールで作ることにしました。つまり、1m(100cm)の棒は、10cmの割りばしになる、というわけです。
模型の棒材のサイズは以下の通りです。
- (1)18cmの割りばし、7本(メインの構造材になる)
- (2)22cmの割りばし、2本(足の筋交いになる)
- (3)10cmの割りばし、8本(土を置いて火をくべて、煮炊きする時の台になる)
※できれば、(3)の棒材だけは、完成した「立ちかまど」の枠組みに合わせた長さに切りそろえるのが良いでしょう。
作り方
「かく縛り(かくしばり)」というしばり方を沢山しますが、しばる時の最初は、「巻き結び」で始めて、最後も「巻き結び」で終わります。
なので、まき結びを復習しておきましょう。
巻き結びの復習
つぎに、この二つの輪を結びたい(巻き付けたい)棒にかけていきます。この時、Aの輪とBの輪の順番に気を付けてください。
巻き結びの完成です。
かく縛り(かくしばり)
2本の棒材を直角にしばる時に使います。ここでは多用します。
- しばる時の最初は、どちらか一方の棒材で「巻き結び」で始めます。
- 2本を特徴的にグルグル巻いていきます。
- 最後は、もう一方の棒材で「巻き結び」をして完成です。
縦の部材(脚になる)の作成
18mの棒を2本の上の方を「はさみしばり」で結びます。
- しばる時の最初は、どちらか一方の棒材で「巻き結び」で始めます。
- 2本をまとめて、グルグル巻きます。
- もう一方の棒材で「巻き結び」をします。
- 最後は、グルグル巻いたところを縦に2回巻いて、反対側の棒に巻き結びをします。これでほどけなくなります(ゆるまなくなります)。
- 二つの棒の縛っていない方の端を開くと、「立ちかまど」の足の完成です。
台になる部分の作成
次に、下から5cmのところに台になる部分を作ります。「かくしばり」でしばります。
(1/10模型ですから、実際の立ちかまどでは、50cmのところになります。)
10cmの棒材を用意し、下から5cmのところで横に渡して「かくしばり」で2本とも固定します。
これで、「たちかまど」の縦の脚2本になる枠組みの完成です。
これと同じものをもう1つ作成します。
これで、4本の脚が完成しました。
2本の脚の部材をつなぐ
18cmの棒材を3本を使って、さっきの、縦の脚の枠組みの上に1本、下でそれぞれの脚をつなぐようにして2か所を縛ります。
この時も、「かくしばり」を使います。
これで、ほぼ完成です。
垂直に立つように、縛りの場所を調整します。
すじかいを入れる
足元は今、4本の棒材で作られた四角だけです。
これでは、菱形に変形する力にとても弱いです。
そこで、「スジカイ」をいれて、強くします。
22cmの棒材を1本の脚の下の方(5cmぐらいのところ)で「かくしばり」して、斜め向かいのもう一方の脚にかくしばり」で結び、ななめに固定します。
もう一方のななめの対(つい)になる2本の脚も同様に「かくしばり」で固定します。
スジカイ同士を「すじかいしばり」で固定します。
これで、骨組みの完成です。
(巻(まき)を載せる)台を作る
実は、ここまでの画像は、ボーイスカウトではないMake’s Clubメンバーがつくりました。
しかし、あまりの美しくなささ(?)に、ボーイスカウトの中学生メイカーが丸箸で一から作ってくれました。
煮炊きするための薪(まき)を置く台の部分の説明は、そのボーイスカウトが作ってくれた模型を紹介します。
「立ちかまど」の骨組みに合わせて 棒材の長さを切ったものを両方の端の近くで「いかだしばり」でつなぎます。
巻き寿司の時に使う「すまき」のようになります。
写真では、赤いリリアン糸でしばって、完成です。
完成
模型は、作る時には、空中に持ち上げたり、脚の下からひもを通したりしましたが、実際は、22cmの割りばしは、2.2mの背よりも高い竹や丸太なので、簡単には動かせませんから、作るのはもっと大変だと思います。
でも、もし、災害などで野外で料理をしたりすることが日常になったら、地面で煮炊きをすると、しゃがんだり立ったりが頻繁で、とても疲れると思います。
しかし、この「立ちかまど」なら、立ったまま煮炊きができます。
今回、模型を作ってみて、「ロープ結び(ロープワーク)」と災害時の命を守る事にも密接に関係することにも気づきました。