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長谷川中学校 4回連続ものづくり探究
大阪市立長谷川中学校では、大阪市総合教育センターが推進するOEN(Osaka city Education Network)を活用した取組として、NPO法人メイカーズクラブと連携し、4回連続のものづくり体験を進めています。
第1回では「動きの仕組み」を知り、第2回では自分たちの「あったらいいな」を考えて設計し、第3回では、そのアイデアを実際のものとして形にしました。
このページでは、4回連続ものづくり探究のうち、第1回から第3回までの実践を中間的に振り返り、第4回の「振り返る・語り合う・未来につなぐ」活動へつながる学びを整理します。
OENは、大阪市の教育方針に沿って協力する企業・大学・団体等と、市立学校園をつなぐネットワークです。
長谷川中学校の取組でも、学校、大阪市総合教育センター、メイカーズクラブ、若手会CYTの大学生、活動を支援する企業など、さまざまな立場の人が、それぞれの経験や専門性を持ち寄っています。
この取組で大切にしていること
この活動の目的は、工作作品を完成させることだけではありません。
ものの仕組みに触れ、自分の「やってみたい」を考え、人と話し合い、実際につくり、思ったようにいかなければ調整する。その過程を通して、自分は何に興味を持つのか、何を大切にしたいのか、人とどのように関わるのかを体験的に考えることを大切にしています。
根本にあるのは、子どもの「なぜ?」「やってみたい!」を出発点に、疑問を持ち、考え、試し、振り返るという探究・読解の考え方です。
「どうすればできるだろう」「何を一番大切にしたいだろう」「うまくいかないのはなぜだろう」と考え、試し、必要ならやり直す。ものづくりを通して、問いを持ち、自分たちなりの答えを探していくことを目指しています。
4回を通した学びの流れ
実際の機械の動きを観察し、カム機構を含むからくり機構を自分の手で組み立てました。回転する動きが別の動きに変わることを、見るだけではなく、自分で作って動かして確かめました。
自由にアイデアを出し、班で話し合い、自販機、スロットマシン、クレーンゲーム、DSを振動させる装置、チェーンソーの5つのテーマを決めました。
さらに、たくさんの希望の中から「絶対に譲れない機能」を一つ選び、自分たちが本当に実現したいことを考えました。
第2回で考えた5つのアイデアを、実際の作品として製作しました。位置、幅、重さ、回転速度などを調整し、思ったように動かないときには、原因を考えて試し直しました。
最後には、各班の代表が、完成した作品や工夫したことを発表しました。
第1回から第3回までの体験を振り返り、自分が何に興味を持ったのか、どんな作業に夢中になったのか、班の中でどのような役割をしたのかを考えます。
ものづくりでの経験を、仕事、生き方、社会とのつながりという視点から語り合い、自分自身の未来へつなげます。
知る・試す
↓
考える・選ぶ・設計する
↓
つくる・工夫する・伝える
↓
振り返る・語り合う・未来につなぐ
第3回までのものづくりの途中にあった学び
第3回では、班ごとに取り組む内容が異なったため、必要となる工夫もそれぞれ違いました。
自販機では、ボタンを1回押したときに商品が1つだけ出るよう、3段のスリットの位置や幅を調整しました。クレーンゲームでは、バケットがうまく開閉するよう、軸の位置と鉛の重りのバランスを何度も調整しました。
DSを振動させる装置やチェーンソーでは、モーターの回転速度を目的に合わせるためにギアボックスを組み立てました。必要な動きを実現するため、歯車の組合せや機構を考えました。
自販機では、ペットボトルのキャップを使った商品に紙を巻き、開けるためのタブまで立体的に作った生徒もいました。与えられた作業を終わらせるだけではなく、「もっとこうしたい」という工夫が生まれました。
クレーンゲームの調整に90分間ほとんど休まず集中する姿、生徒同士で細かな作業を手伝う姿、先生も生徒と一緒になって本気でスロットマシンの調整に取り組む姿が見られました。
考える、試す、うまくいかない、調整する、誰かに聞く、手伝う、もう一度やってみる。その一つひとつが、ものづくりを通した学びになっています。
探究学習として捉える
第3回までの取組を振り返ると、生徒たちは、決められた手順どおりに工作するだけではなく、自分たちで問いを持ち、考え、試しながら活動してきました。
知る ― まず仕組みに触れてみる。
問いを持つ ― 「自分なら何をつくりたい?」と考える。
考える ― アイデアを出し、人と話し合う。
選ぶ ― 本当に大切にしたい機能を決める。
試す ― 実際につくり、動かしてみる。
工夫する ― うまくいかない理由を考え、調整する。
伝える ― 自分たちがつくったものを人に紹介する。
振り返る ― 体験から、自分について気づいたことを言葉にする。
一つの正解に早くたどり着くことよりも、「どうすればできるだろう」と考え続けることを大切にした活動です。
キャリアにつながる体験として
キャリアを考えることは、将来の職業名を決めることだけではありません。
ものづくりに取り組む中で、自分がどんなことに興味を持つのか、どんな作業には夢中になれるのか、人と一緒に取り組むときにどのような役割をするのかを知ることも、自分の将来を考えるための大切な経験になります。
・自分は、何に興味を持つのか
・どんなことなら夢中になれるのか
・自分は何を大切にしたいのか
・人と意見が違うとき、どうするのか
・うまくいかなかったとき、どう向き合うのか
・班の中で、自分はどのような役割をしていたのか
・自分が考えたことを、どう人に伝えるのか
こうした問いを体験の中で持つことが、将来の生き方や仕事について考えていくための土台になると考えています。
OENを通して、いろいろな人が学びに関わる
この活動は、学校だけ、メイカーズクラブだけで実施しているものではありません。
OENを通した連携のもと、長谷川中学校の先生方、大阪市総合教育センター、NPO法人メイカーズクラブ、若手会CYTの大学生、活動を支援する企業など、さまざまな立場の人が関わっています。
教材を考える人、部品を設計する大学生、材料を支援する企業、日常の生徒を知る先生、学校と外部をつなぐ総合教育センター。それぞれが異なる経験や役割を持ち寄ることで、生徒たちが実際に考え、つくり、試すことのできる場が生まれています。
生徒たちにも、制度としての「産官学連携」だけでなく、社会には自分たちの学びや成長を応援している人がいること、社会はさまざまな人が関わり合ってつくられていることを感じてもらえる活動にしていきたいと考えています。
株式会社インターアクトジャパン様のご支援
本取組では、株式会社インターアクトジャパン様より、ものづくりに必要な材料費をご支援いただいています。
材料をご支援いただくことで、生徒たちが「こんなものがあったらいい」と考えるだけでなく、実際に材料に触れ、組み立て、試し、失敗し、調整するところまで経験できる場が実現しています。
実物をつくるからこそ、「思ったとおりにいかない」「どうしたらできるだろう」という問いが生まれます。材料へのご支援は、生徒たちが自分のアイデアを実際の体験へ変えることにつながっています。
そして、第4回へ
第3回までで、生徒たちは「知る」「考える」「選ぶ」「つくる」「工夫する」「伝える」ところまでを経験しました。
第4回では、これまでの活動を振り返り、「どの回が楽しかったか、なぜか」「自分は何に興味を持ったか」「どのような作業に夢中になったか」「人と一緒に取り組んで何を感じたか」を言葉にする時間をつくります。
ものづくりで経験したことを、仕事や生き方、社会とのつながりという視点から振り返ることで、4回の活動全体を「自分自身について考える経験」へつなげます。
第4回の具体的な内容については、長谷川中学校、大阪市総合教育センターの皆さまと相談しながら、生徒自身がこれまでの体験を意味づけられる時間となるよう検討します。
第4回終了後、生徒の振り返りや活動の様子を追加し、4回全体を通した最終まとめページへ更新する予定です。
第1~3回の実践報告
ご協力ありがとうございます
長谷川中学校の皆さま、大阪市総合教育センター(産官学連携グループ)の皆さま、株式会社インターアクトジャパンの皆さま、若手会CYTの大学生、そして活動に関わってくださった皆さまに感謝申し上げます。
これからも、ものづくりを通して、生徒たちが自分の「やってみたい」に出会い、それを人と一緒に形にし、自分自身の未来へつなげていけるような体験の場をつくっていきたいと考えています。
ものづくりを通して、子どもたちの「やってみたい」を応援しています。学校・地域・企業と連携し、ものづくり、探究、キャリアにつながる体験の場をつくっています。

