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【コラム】好奇心の探究は、不思議に気づく体験から始まります。

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飛行の原理をこども達と学ぶための準備を進めています。
先日、紙飛行機を飛ばして、「滑空」を実現できました。
歩くくらいの速さで水平に紙飛行機が飛びました。
風を受けて、空中でいったん止まり、方向を変えて飛行を続けました。
奇跡を見ているようでした。知識と体験が繋がった瞬間でした。日常に見られる現象(体験)と知識を結び付けることができれば、将来、自分の好奇心を、世の中の役に立てる創造的活動につなげていけます。こどもたちの工作体験は、サイエンスの学びです。工作体験が不思議に思う気持ちに火をつけ、好奇心の探究を経て知識となり、さらなる工作体験へ駆り立てる、楽しい無限ループ。そういう楽しい体験をたくさんしてほしいと思います。

【コラム】好奇心の探求は、「不思議に気づく」から始まります。

最近、私は紙飛行機に夢中です。

飛行の原理をこども達と学ぶための準備を進めているのです。
理論を体験しつつ学ぶための教材として、以下の紙飛行機を購入し、飛ばしてみています。

レーサースカイカブ4
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「レーサースカイカブ4」は、 紙飛行機設計の世界的権威である、二宮康明工学博士設計のオリジナル紙飛行機です。こどもたちの楽しい飛行機遊びと飛行のメカニズムの学びを繋いでくれる体験になると思います。

 

動力の無い飛行機は折り紙ひこうきしか飛ばしたことがない私。滑空飛行で来たい調整を何度も重ね、飛行させてからも調整を繰り返しました。

かなりの調整の後、一度だけ、「滑空」を体験しました。

歩くくらいの速さで水平に紙飛行機が飛びました。
風を受けて、空中でいったん止まり、方向を変えて飛行を続けました。
奇跡を見ているようでした。

私は完全な知識先行型だったので、自分の手から離れた飛行機が、空中を緩やかに移動する姿を見た時、「え?」っと思いました。
一瞬何が起こっているのか分からなくて、しばらく見とれていました。

これが滑空というものなの?
こんなに穏やかなものなの?
なぜこれは一定速度で同じ高さで飛んでいるの?
私が前提としていたことが間違っているの?
以前に見たぶっ飛びは、これとは、本質的に違うな、、、。

小さな短い体験に、頭の中は「?マーク」がいっぱいでフル回転でした。

知識と体験が結びついた瞬間でした。

体験による不思議の気づきは、書籍からの知識の感動を上回る


実際、私は、飛行機の体験と知識をつなげるために、
同時にたくさんの飛行機の仕組みや航空工学の書籍を読んでいます。
その学びの中で、「なるほど!」と感心したり感動したりすることも多くあります。

しかし、

好奇心が満たされた感覚は、書物や教えられてのものよりも、やはり、
ゆっくりと空中を滑空する紙飛行機を見た時の、「え?」という感覚の方が勝ります。

サイエンスの学びは体験の中から立ち上がるから楽しい

日常の中に科学がある事を伝えることが大切です。

こどもたちに、庭木に水をやるホースが躍る様子をみたことがあるか確認した上で、
ロケット推力と、
水道をひねってホースから噴き出す水道水がホースに与える力は
同じ種類の力(従動力)なんだよ、
と伝えると驚き喜びます。

日常に見られる現象(体験)と知識を結び付けることができれば、将来、自分の好奇心を、世の中の役に立てる創造的活動につなげていけます。

そのために、今、こども達には、好奇心を究める、体験をたくさんしてもらい、頭の中の【?】をたのしく追いかけて欲しい。

強いて勉める「勉強」ではなく、自ら学ぶ「学習」を。

こどもたちの工作体験は、サイエンスの学びです。

工作体験の中から、不思議に思う気持ちが立ち上がり、好奇心の探求を経て知識となる。知識を使って、工作にさらなる工夫を打加えて、また不思議に思おう気持ちが湧き上がる。

工作体験が不思議に思う気持ちに火をつけ、好奇心の探究を経て知識となり、さらなる工作体験へ駆り立てる、楽しい無限ループです。

そういう楽しい体験をたくさんしてほしいと思います。

(中谷敬子 2020.10)

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