7月に匠メイカーが作ったヨット模型、覚えていますか?
あのヨットの模型でも、存在感を発揮していたのが「ロープ」。
ヨットの操縦の必須アイテムです。
ロープの結び方や扱い方の総称をロープワークといいます。船を桟橋に係留したり、錨にロープを結んだりするときなど、大活躍します。また、アウトドアや登山などでも使われます。
日常生活でも、古紙を出す時などに、シッカリ結べると、家族からも喜ばれます。
ボーイスカウトでは、初級以上の昇級に、ロープ結びができることが求められます。ここからは、僕が、ロープワークについて紹介します。
ロープむすび
ここでは、ボーイスカウト日本連盟が発行している「ロープむすび」という教本を参考にしながら、代表的なロープむすびについて紹介します。
ボーイスカウトの野外活動では、ロープワークは必須です。「立てかまど(立ちかまど)」は、2mぐらいの木の棒を何本も使って、作りますが、それを固定したり、つないだりするのは、ロープだけです。
代表的なロープワークを紹介します。
とめ結び、一重(ひとえ)結び、オーバーハンド・ノット
- 目的
- ロープの端にコブを作るための結び方
- 特徴・注意
- ロープがほつれてしまうことを防いだり、握りやすくする効果もあります。
- 使い道
- ロープの滑り止め
本結び(ほんむすび)、 スクエア・ノット
- 目的
- ロープをつなぐための結び方です。
- 特徴・注意
- 一番簡単なつなぎ合わせの結び方です。
- 太すぎるロープや、太さの違うロープをつなぐのには適していません。ほどけてしまいます。
- 本結びは、別名「固結び(かたむすび)」とも呼ばれていますが、実は、一方のロープだけを真っ直ぐになるように強く引っ張ると、簡単にほどくことができます。「固い」という名前に騙されないようにしましょう。
- 使い道
- 船の帆を巻き上げて束ねたりするときに使うだけではなくて、布で結ぶと結び目が平たくなるので、包帯や三角巾を結ぶ時にも使います。
みなさんも良く使うのではないでしょうか?
もやい結び、ヨセミテ・フィニッシュ
- 目的
- ロープの端に輪を作るための結び方です。
- 特徴・注意
-
- 作った輪が締まらないのが特徴です。
ロープの端に輪を作る結び方には、「輪がしまる(小さくできる)もの」と、「輪の大きさが変わらないもの」があります。
カウボーイが牛をつかまえる時に使っている投げ縄は、「投げ縄結び」といって、「輪がしまる」結び方です。
- 使い道
- もやい結びは、その名前が示すとおり、船を「もやう」ために使います。
- 船の「へさき」のロープをくいなどに結ぶ時に使います。
- 長いロープの端に輪を作って足をかけて、高いところから降りることができます。
もやい結びは、別名、「ヨセミテ・フィニッシュ」というのですね。
1984年、ユネスコの世界遺産(自然遺産)に登録された、アメリカ合衆国の「ヨセミテ国立公園」と何か関係が有るのでしょうか、、、。
巻き結び(まきむすび)、クローブヒッチ
- 目的
- ロープを他のものに結ぶときに使います。
- 特徴・注意
- 左右に力がかかっても大丈夫です。
- 逆に、片方だけに力がかかると、ゆるんだりするので、使えません。その時は、「ひとむすび」を使います。
- 使い道
- 「巻き結び」は、間隔をあけて打ち込んだ杭を、1本のロープで順番に結んでいって作る柵などを作る時に見かける結び方です。
一重継ぎ(ひとえつぎ)、 シートベンド
- 目的
- ロープを繋ぐときの結び方です。
- 使い道
- 「ひとえつぎ」は、帆の下すみに帆づなを結ぶ時の結びです。
- 特徴・注意
- 同じ太さのロープでも、太さの違うロープでも、どちらも使えます。
- 「本結び」は、太さが違うと使えませんが、この「ひとえつぎ」は、太さが違う時に威力を発揮します。
自在結び(じざいむすび)、トートラインヒッチ
「トートラインヒッチ」の紹介です。
- 目的
- ロープを他のものに結ぶ
- 特徴・注意
- テントの張りづななど、張りの強さを調節する必要のある所で威力を発揮します。
- ロープをほどかずに、長さを変えることができるのでとても便利です。
- 使い道
- キャンプやアウトドアでテントのロープの張りを強くしたり、その張りの強さを張りの強さを調節したりできます。
- 木に登る時などに使います。
- 車の積み荷を固定する時にも使われます。
ボーイスカウトではとてもよく使います。
8の字結び
「8の字結び」の紹介です。
- 目的
- ロープの端にコブを作るための結び方
- 特徴・注意
- 単に1回結ぶ「とめ結び」よりも、大きなコブを作ることができます。
- むすび目が数字の8に似ています。
- 使い道
- 基本、「とめ結び」でできることは「8の字結び」でもできます。コブが大きい分、使いやすいです。
てこ結び、 マーリンスパイクヒッチ
「てこ結び」の紹介です。
- 目的
- ロープを他のものに結ぶ
- 特徴・注意点
- 結びにくい短いロープの端を強く引っ張りたい時、この結び方をして、棒を通すと、それを握って強く引っ張ることができます。
- 使い道
- 棒の一端を固定して「てこ」として使うこともできます。
「ロープワーク」を書いた感想
僕は知らない結び方なのですが、ボーイスカウトの隊長が名前を教えてくれた「なんきんむすび」、別名、「万力(まんりき)むすび」を調べてみようと思います。南京錠みたいに硬く結べるのだろうと思って楽しみです。
ロープむすびは、命を守る技術
いろいろな用途に応じて、色々な結び方があるのですね。
いかがでしたか?
いろいろなロープ結びができると、実用的だし、カッコいいですね。それに、適切なロープむすびを使いこなせることは、生活で役立つし、命を守ることにもなります。
ボーイスカウトは、活動の時には、いつも6mのロープをリュックに持っています。
川でおぼれた人を見つけたら。。。
例えば、最初に紹介した「とめむすび」。ロープの端に1つのコブを作るだけの結び方です。何に使えるのでしょうか?
川に落ちて流されている人に、ロープを投げて、川岸へ引っ張り上げて助けたい時、ロープの端に、コブがあるかないかで、助かるか、助からないかの分かれ道になるかもしれません。
ロープを握っている手が滑っても、コブがあれば、そこで滑りにくくなり、ロープから手が離れずに済むかもしれないからです。
もっとロープ結びの知識を持っていれば、もっと大きなコブを作ることのできる「8の字むすび」を作って、投げてあげれば、もっとつかまりやすいコブになります。
さらに、輪が締まっていかない「もやい結び」を作って、ロープを投げてあげれば、手で握るだけではなくて、輪の中に腕を通したりして、もっと楽に助かることができるかもしれません。
このように、実用的で楽しいロープワーク。
あなたもぜひトライしてみてくださいね。