Maker’s Clubみんなの工作博物館
工作まめ知識おもちゃ・雑貨

「立ちかまど」の模型工作(ロープ結び)

この記事は約5分で読めます。
「ロープむすび ~命を守る技術~」で紹介した、ロープ結び。実用品を作ることでそのロープの実力を味わいます。こんかいは、ボーイスカウトでおなじみの「立ちかまど」の模型工作です。ぜひ作ってみてください。

以前、「ロープむすび ~命を守る技術~」が掲載されました。

ロープむすび ~命を守る技術~
7月に匠メイカーが作ったヨット模型、覚えていますか?あのヨットの模型でも、存在感を発揮していたのが「ロープ」。ヨットの操縦の必須アイテムです。ロープの結び方や扱い方の総称をロープワークといいます。船を桟橋に係留したり、錨にロープを結んだりす

ロープ結びは、とても便利な技術ですが、Make’s Clubメンバーから「ロープとか、何に使うか分からない」という声がありました。

確かに、先のサイトで例に挙げていた「ロープの活用例」は、「川でおぼれている人にロープを投げて助ける」でした。これは、さすがに、非日常でした。

そこで、ロープがどれだけ便利かということの紹介として、「立ちかまど」を作ることにしました。

竹とロープだけで作る「立ちかまど」

「立ちかまど」の模型

写真は、割りばしで作った、「立ちかまど」の模型です。

「立ちかまど」は、竹などをロープで組んで、地面から50cmぐらいのところに、台を作り、その上に、土を盛って地面のようにして、その上で、煮炊きできるかまどを作る、というものです。

しゃがんだりしなくて良いので、便利で楽です。

立ちかまどの模型の作り方

「立ちかまど」は、長さは特に決まってはいませんが、2mぐらいの竹を使ってつくります。

実際の「立ちかまど」の材料は、

  • ロープ

だけですが、ここでは、模型ですので、

  • 割りばし
  • タコ糸

を材料にすることにします。

棒材の長さは、以下の通りとしましたが、全部同じ長さでも大丈夫作れます。

ここでは、次のサイトを参考にして長さを決めました。

材料

サイズは、1/10スケールで作ることにしました。つまり、1m(100cm)の棒は、10cmの割りばしになる、というわけです。

模型の棒材のサイズは以下の通りです。

  • (1)18cmの割りばし、7本(メインの構造材になる)
  • (2)22cmの割りばし、2本(足の筋交いになる)
  • (3)10cmの割りばし、8本(土を置いて火をくべて、煮炊きする時の台になる)

※できれば、(3)の棒材だけは、完成した「立ちかまど」の枠組みに合わせた長さに切りそろえるのが良いでしょう。

作り方

「かく縛り(かくしばり)」というしばり方を沢山しますが、しばる時の最初は、「巻き結び」で始めて、最後も「巻き結び」で終わります。

なので、まき結びを復習しておきましょう。

巻き結びの復習

つぎに、この二つの輪を結びたい(巻き付けたい)棒にかけていきます。この時、Aの輪とBの輪の順番に気を付けてください。

 

巻き結びの完成です。

かく縛り(かくしばり)

2本の棒材を直角にしばる時に使います。ここでは多用します。

  • しばる時の最初は、どちらか一方の棒材で「巻き結び」で始めます。
  • 2本を特徴的にグルグル巻いていきます。
  • 最後は、もう一方の棒材で「巻き結び」をして完成です。

縦の部材(脚になる)の作成

18mの棒を2本の上の方を「はさみしばり」で結びます。

  • しばる時の最初は、どちらか一方の棒材で「巻き結び」で始めます。
  • 2本をまとめて、グルグル巻きます。
  • もう一方の棒材で「巻き結び」をします。
  • 最後は、グルグル巻いたところを縦に2回巻いて、反対側の棒に巻き結びをします。これでほどけなくなります(ゆるまなくなります)。
  • 二つの棒の縛っていない方の端を開くと、「立ちかまど」の足の完成です。

台になる部分の作成

次に、下から5cmのところに台になる部分を作ります。「かくしばり」でしばります。

(1/10模型ですから、実際の立ちかまどでは、50cmのところになります。)

10cmの棒材を用意し、下から5cmのところで横に渡して「かくしばり」で2本とも固定します。

これで、「たちかまど」の縦の脚2本になる枠組みの完成です。

これと同じものをもう1つ作成します。

これで、4本の脚が完成しました。

2本の脚の部材をつなぐ

18cmの棒材を3本を使って、さっきの、縦の脚の枠組みの上に1本、下でそれぞれの脚をつなぐようにして2か所を縛ります。

この時も、「かくしばり」を使います。

これで、ほぼ完成です。

垂直に立つように、縛りの場所を調整します。

すじかいを入れる

足元は今、4本の棒材で作られた四角だけです。

これでは、菱形に変形する力にとても弱いです。

そこで、「スジカイ」をいれて、強くします。

22cmの棒材を1本の脚の下の方(5cmぐらいのところ)で「かくしばり」して、斜め向かいのもう一方の脚にかくしばり」で結び、ななめに固定します。

もう一方のななめの対(つい)になる2本の脚も同様に「かくしばり」で固定します。

スジカイ同士を「すじかいしばり」で固定します。

これで、骨組みの完成です。

(巻(まき)を載せる)台を作る

 

 

実は、ここまでの画像は、ボーイスカウトではないMake’s Clubメンバーがつくりました。

しかし、あまりの美しくなささ(?)に、ボーイスカウトの中学生メイカーが丸箸で一から作ってくれました。

煮炊きするための薪(まき)を置く台の部分の説明は、そのボーイスカウトが作ってくれた模型を紹介します。

 

「立ちかまど」の骨組みに合わせて 棒材の長さを切ったものを両方の端の近くで「いかだしばり」でつなぎます。

巻き寿司の時に使う「すまき」のようになります。

写真では、赤いリリアン糸でしばって、完成です。

完成

模型は、作る時には、空中に持ち上げたり、脚の下からひもを通したりしましたが、実際は、22cmの割りばしは、2.2mの背よりも高い竹や丸太なので、簡単には動かせませんから、作るのはもっと大変だと思います。

でも、もし、災害などで野外で料理をしたりすることが日常になったら、地面で煮炊きをすると、しゃがんだり立ったりが頻繁で、とても疲れると思います。

しかし、この「立ちかまど」なら、立ったまま煮炊きができます。

今回、模型を作ってみて、「ロープ結び(ロープワーク)」と災害時の命を守る事にも密接に関係することにも気づきました。

タイトルとURLをコピーしました