Maker’s Clubみんなの工作博物館
工作まめ知識 技術者に会おう

自分で作ったプログラムでモノを動かしてみませんか?

秋元 美由記(自動車メーカー・開発部門技術者)

家電製品や機器に使われているマイコンは、私たちが便利かつ安心に過ごせるように、身の周りのいろんな場所で活躍しています。
「マイコンは今、何をしているのかな?」と考えてみると、「ただの家電」が違って見えてきます。もし「おもしろそうなもの」に見えてきたら、ぜひマイコンロボットなどマイコンを使ったプログラミングに挑戦してみてください。

初めは思った通りに動かないかもしれませんが、考えて、修正を繰り返すことで、自分の思い通りに動かすことができるようになります。

自分でプログラムしたモノが動くのは本当に感動しますよ!

コンピュータはどこにある?

「コンピュータ」と聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか?学校のコンピュータ室にあるデスクトップ型やノート型のパソコンを思い浮かべる人もいるでしょうし、スマートフォンやタブレット端末などを思い浮かべる人もいるかもしれません。

でも、実はそれだけではありません。例えばテレビや冷蔵庫、洗濯機、エアコン、電子レンジなど、みなさんの家にある家電製品の中にもコンピュータが使われています。さらに、電車、自動車、船、飛行機などの乗り物や人工衛星、銀行ATM、自動販売機、信号機、工場のロボットなど、私たちが暮らす社会の中にもコンピュータが使われている機器がたくさんあります。

毎日の暮らしを支えているコンピュータ

小さなコンピュータ「マイコン」

さて、私たちの身の回りには、コンピュータがたくさんあることは知ってもらえたと思います。でも、「あれ?テレビや冷蔵庫のどこにコンピュータがあるの?そんなの見たことないよ」と思った人がいるかもしれません。その通りで、家電製品や機器に使われているコンピュータを、私たちが目にすることはほとんどありません。

1枚のボードにすべての機能が搭載されているマイクロコンピュータ(マイコン)

実は、家電製品や機器の中には「マイコン」と呼ばれる小型のコンピュータ(マイクロコンピュータ)が組み込まれていて、みなさんの見えないところでテレビや冷蔵庫を動かしているのです。

コンピュータに伝えるということ

プログラムが動いていなければ、ただの箱同然のコンピュータ

しかし、コンピュータを用意しても、それだけでは「ただの箱」です。コンピュータという箱を動かすためには、例えば「この画面がタップされたらアプリを起動する」「スイッチが押されたら1分後にブザーを鳴らす」など、コンピュータを動かすための「手順」が必要です。このコンピュータが動く手順を指示した手順書が「プログラム」です。コンサートのプログラムでも、演奏する曲が順番に書き出されていますよね。そして、手順を指示するプログラムを作ることを「プログラミング」あるいは「ソフトウェア開発」と呼びます。

ところで、小さなコンピュータであるマイコンは「スイッチが押されたら1分後にブザーを鳴らす」という手順をどのように行っているのでしょうか。

まず、もし人間だったらどうするかを考えてみましょう。

人は、外からの情報を五感(見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触る)で獲得します。

スイッチが押されたことは、視覚や触覚など五感で“感じる”ことができ、神経を通じて脳に「スイッチが押されたよ」と伝達されます。脳はその伝達を受取ると、時間のカウントを始めて「1分経ったかな?」と“考え”ます。その結果、1分経過すると今度は脳から神経を通じて筋肉に「指でブザーを鳴らして」と指令を送ります。そして「ブザーを押す」という“行動”をとります。

実はマイコンも同じです。

手をかざすとセンサーが反応してハンドソープが出てきます。

マイコンは人間の五感の代わりに、センサーで外部からの入力情報を“感じる”ことができます。その情報により、プログラムが「スイッチが押されたから時間を数えよう」「1分経過したか確認してみよう」と“考え”ます。そして1分経過したと判断すると、「ブザーをONする」という出力指令をブザーへ伝達することで、「ブザーを鳴らす」という“行動”を実現しています。

もちろんマイコンは人間のように多くのことはできませんが「感じて」「考えて」「行動する」という能力が備わっています

そう考えると、マイコンってコンピュータだけど、何だか人間味があると思いませんか?

マイコン・プログラミングに挑戦しよう

家電製品や機器に使われているマイコンは、私たちが便利かつ安心に過ごせるように、身の周りのいろんな場所で活躍しています。今度、テレビやエアコンのスイッチを押した時には、

「このスイッチを押したことで中にいるマイコンは、どう感じて何を考えて行動しているんだろう?」

と考えてみてください。

そうすると、今まで「ただの家電」だったものが、違う表情で見えてくると思います。

そして、もし「おもしろそうなもの」に見えてきたら、ぜひマイコンロボットなどマイコンを使ったプログラミングに挑戦してみてください。初めは思った通りに動かないかもしれません。でもそこで諦めるのではなく、何で意図通りに動かないのだろう?を考えプログラムの修正を繰り返すことで、自分の思いのまま動かすことができるようになります。

自分でプログラムしたモノが動くのは本当に感動しますよ!

マイコンで動きをコントロールできるマイコンカー

秋元 美由記氏(自動車メーカー・開発部門技術者)

高専で電子情報工学を学び、現在、自動車メーカーで組み込みソフトウェア開発に従事。趣味は、小学生の頃から続けている英国式ブラスバンド

#ものづくりの舞台裏

タイトルとURLをコピーしました