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長谷川中学校 ものづくり体験 第3回
2026年10月8日(木)、大阪市立長谷川中学校で、継続的なものづくり体験の第3回を実施しました。
今回の活動は、大阪市総合教育センターが推進するOEN(Osaka city Education Network)を活用した取組として実施したものです。
第1回では「動きの仕組み」を知り、第2回では班ごとに「あったらいいな」を考えて設計しました。第3回では、いよいよ自分たちのアイデアを実際のものとして形にします。
自販機、スロットマシン、クレーンゲーム、DSを振動させる装置、チェーンソーの5つの班に分かれ、組み立て、調整、試行錯誤を重ね、最後にはそれぞれの作品を発表しました。
実施概要
| 実施日 | 2026年10月8日(木) |
|---|---|
| 実施回 | 長谷川中学校 ものづくり体験 第3回 |
| 会場 | 大阪市立長谷川中学校 |
| 対象 | 中学生15名・5班 |
| 内容 | 班ごとに考えた作品の製作・動作調整・試行錯誤・発表 |
| 指導・運営 | NPO法人メイカーズクラブ |
| 連携 | 大阪市総合教育センター(産官学連携グループ) |
| 材料費支援 | 株式会社インターアクトジャパン |
OENは、大阪市の学校園が、教育活動への協力を行う企業・大学・団体等と連携するためのネットワークです。
今回の活動では、長谷川中学校、大阪市総合教育センター、メイカーズクラブ、若手会CYTの大学生、材料費を支援する企業が、それぞれの経験や専門性を持ち寄りました。
第1回・第2回から、第3回へ
第1回では、カム機構を含むからくり機構を組み立て、回転する動きが別の動きに変わる仕組みを、自分の手で確かめました。
第2回では、「こんなものがあったらいい」「こんなものをつくってみたい」というアイデアを出し合い、班ごとにテーマを決めました。さらに、限られた時間や材料の中で、「これだけは実現したい」という機能を一つ選びました。
第1回|知る・試す
機構を実際につくり、「動きの仕組み」を知る。
第2回|考える・選ぶ・設計する
「あったらいいな」を出し合い、自分たちが実現したいものを決める。
第3回|つくる・工夫する・伝える
自分たちの設計を形にし、試行錯誤し、その成果を人に伝える。
1.自分たちのアイデアを、実際につくる
今回は、メイカーズクラブ側で、それぞれの班のアイデアと「絶対に譲れない機能」をもとに、製作に必要な材料や部品、基本となる仕組みを準備しました。
ただし、部品を説明書どおりに組み立てれば完成する工作ではありません。思ったように動かすためには、部品の位置、スリットの幅、重りの量、歯車の組み合わせなどを、生徒自身が試しながら調整する必要があります。
実際につくり始めると、「思ったように動かない」「ここに部品を付けられない」「もう少し形を変えたい」といったことが起こります。そのたびに、班で相談し、部品の位置や使い方を考え直しながら製作を進めました。
つくる → 試す → 結果を見る → 原因を考える → 調整する。
自分たちで決めた目標があるからこそ、思ったように動かないことも、次の工夫を考えるための材料になります。
2.5つの「やってみたい」を形にする
5つの班が、それぞれ自分たちの「絶対に譲れない機能」の実現に取り組みました。班によって向き合う課題は異なり、必要な調整や工夫もさまざまでした。
自販機|「1回押したら、1個だけ出る」をつくる
自販機班が取り組んだのは、ボタンを1回押すと商品が1つだけ出てくる仕組みです。そのためには、3段になったスリットの位置と幅を細かく調整する必要がありました。広すぎると複数の商品が落ち、狭すぎると商品が出てきません。実際に何度も動かしながら、ちょうどよい位置を探しました。
商品には、好きな色のペットボトルのキャップを2つ合わせ、セロテープで留めたものを使いました。さらに紙で覆ってパッケージを作り、開けるためのタブまで立体的に作った生徒もいました。仕組みだけでなく、商品をどのように見せるかまで工夫が広がっていました。
スロットマシン|「絶対にレバーを付けたい」を実現
スロットマシンは、メイカーズクラブ若手会CYTの大学生が設計し、3Dプリンタで出力した部品を使いました。生徒たちは部品を組み立て、実際に動作するように調整していきました。
第2回で「絶対に譲れない」としていたのがレバーです。完成した装置は、レバーを押すと2つのリールが回転し、それぞれをボタンで止めることができる本格的なものになりました。
動作を調整する場面では、先生も一方的に教えるのではなく、生徒と一緒になって仕組みを考え、動きを確かめていました。大人と生徒が同じ目標に向かい、一緒にものづくりへ取り組む姿が印象的でした。
クレーンゲーム|重さと軸の位置を調整する
クレーンゲーム班には、基本となる本体をあらかじめ用意し、第2回で「絶対に譲れない」としていた遠隔操作で開閉するバケット(つかむ部分)の組み立てに挑戦してもらいました。
バケットは、軸となる中心の位置と、つかむ部分の重さのバランスによって、開閉のしやすさが大きく変わります。鉛の重りを少しずつ増減しながら、きちんと開き、閉じる条件を探していく繊細な調整が必要でした。
一人の生徒は、90分間ほとんど休むことなく、この調整に集中して取り組んでいました。完成だけを急ぐのではなく、「なぜうまく動かないのか」を考えながら何度も試す姿が見られました。
DSを振動させる装置|回転を上下・往復運動に変える
DSを振動させる装置では、モーターの回転をそのまま使うのではなく、目的に合った速さと動きに変えるための機構を使いました。機械工学でも扱われる、本格的な仕組みを取り入れています。
まず、モーターの高速な回転を適切な速さにするため、ギアボックスの組み立てから挑戦しました。歯車の組み合わせによって、回転速度や力の伝わり方が変わります。
続いて、回転運動を上下・往復運動に変換するリンク機構を使い、歩くときのような動きを再現しました。モーターの「回る」という動きを、目的とする「揺らす」という動きに変換することで、考えていた装置を実現しました。
チェーンソー|回転速度を選び、チェーンを一つずつつなぐ
チェーンソーも、メイカーズクラブ若手会CYTの大学生が設計し、3Dプリンタで出力した部品を使って組み立てました。
まずはギアボックスを組み立てます。同じモーターでも、歯車の組み合わせによって回転速度が変わるため、それぞれが「どのくらいの速さでチェーンを動かしたいか」を考えながら組み合わせを選びました。
その後、チェーンとなる部品を一つずつつないでいきました。細かな作業が続きましたが、途中からは互いに作業を手伝い合いながら完成させていました。
今回の製作では、スリットの幅を調整する、重さのバランスを取る、歯車を選ぶ、動きを変換する、細かな部品をつなぐなど、班ごとに異なる課題へ向き合いました。そこには、正解を教えてもらってその通りにつくるのではなく、実現したいことに合わせて、考え、試し、調整するものづくりがありました。
3.つくる中で生まれた、集中と協働
クレーンゲーム班では、重さと位置の微調整を90分間ほとんど休まず続ける生徒がいました。思いどおりに動かなくても投げ出さず、少しずつ条件を変えて確かめていました。
スロットマシン班では、先生も生徒と一緒になって仕組みを考え、動作を調整していました。チェーンソー班では、生徒同士が細かな作業を自然に手伝い合っていました。その場で必要なことを一緒に考えながら、完成を目指しました。
自販機の商品パッケージのように、最初に求められていた機能を超えて、自分なりの工夫を加える姿もありました。「自分が気に入るものにしたい」という思いが、ものづくりをさらに広げていました。
4.完成した作品を、班ごとに発表
最後は、それぞれの班から代表者が前に出て、自分たちがつくった作品を紹介しました。
何をつくったのか、どのような仕組みなのか、どこを工夫したのか。実際につくった作品を前に、自分たちの考えを言葉にして伝えました。
ものづくりは、完成させたら終わりではありません。作品を説明することで、自分たちが考えたことや工夫したことを改めて振り返る機会にもなります。
5.OENを通して、「本物」のものづくりに触れる
今回の活動では、メイカーズクラブ若手会CYTの大学生が、スロットマシンやチェーンソーの部品を設計し、3Dプリンタで造形しました。生徒たちは、大学生が実際に考え、設計した部品を使いながら製作に取り組みました。
授業を日常の学びにつなげる学校の先生、学校と外部をつなぐ大阪市総合教育センター、教材や部品を設計するメイカーズクラブと大学生、材料費を支援する企業。それぞれが異なる経験や役割を持ち寄ることで、生徒が考え、つくり、試すことのできる場が生まれています。
社会では、立場や専門の異なる人たちが関わり合いながら、一つの製品やサービスをつくっています。今回の活動も、さまざまな人の協力によって実現した、社会とつながるものづくり体験です。
6.第3回で経験したこと
- 設計したものを、実際に組み立てる
- 動かして、結果を確かめる
- うまくいかない原因を考える
- 位置、幅、重さ、速度を調整する
- 人に聞いたり、互いに手伝ったりする
- 自分なりの工夫を加える
- 完成したものを人に伝える
こうした経験は、ものづくりだけでなく、実際の仕事でも大切になるプロセスです。自分たちが実現したいことに向かって、他者と関わりながら方法を考え、試行錯誤し、形にしていきました。
7.3回の体験を、次の学びへ
第3回までで、生徒たちは、「仕組みを知る」ことから始まり、「自分たちで考える」「選ぶ」「設計する」「実際につくる」「調整する」「人に伝える」ところまでを経験しました。
ものづくりの中で感じた「おもしろい」「難しい」「もっとやってみたい」、夢中になって取り組んだこと、人と一緒に考えたことは、自分自身の興味や得意なことを知る手がかりにもなります。
自分は何に興味を持ったのか、どんな作業に夢中になったのか、うまくいかなかったときにどうしたのか、人と一緒に取り組んで何を感じたのか。これまでの経験を振り返ることが、体験を次の学びや未来へつなげる一歩になります。
ご協力ありがとうございました
本活動は、大阪市総合教育センター(産官学連携グループ)との連携により進めています。また、株式会社インターアクトジャパン様には、ものづくりに必要な材料費をご支援いただいています。
材料をご支援いただくことで、生徒たちがアイデアを考えるだけでなく、実際に材料に触れ、組み立て、試し、失敗し、調整するところまで経験できる場が実現しました。
長谷川中学校の皆さま、大阪市総合教育センター(産官学連携グループ)の皆さま、株式会社インターアクトジャパンの皆さま、ありがとうございました。
ものづくりを通して、子どもたちの「やってみたい」を応援しています。学校・地域・企業と連携し、ものづくり、探究、キャリアにつながる体験の場をつくっています。

















