テスト

IDEA × DESIGN × COLLABORATION
「あったらいいな」を設計しよう!
長谷川中学校 ものづくり体験 第2回

2026年8月26日(水)、長谷川中学校で継続して取り組んでいるものづくり体験の第2回を実施しました。

第1回では、カム機構を実際につくりながら「動きの仕組み」を体験しました。第2回は、その経験を一歩先へ進め、「自分たちは何をつくってみたいのか」を考える回です。

自由にアイデアを出し、班で話し合い、テーマを選び、仕組みを考え、最後には「これだけは実現したい」という機能を一つ決めました。

実施概要

実施日 2026年8月26日(水)
実施回 長谷川中学校 ものづくり体験 第2回
会場 大阪市立長谷川中学校
対象 中学生15名・5班
内容 アイデア出し・対話・テーマ決定・スケッチ・機能の絞り込み
指導・運営 NPO法人メイカーズクラブ
連携・協力 大阪市総合教育センター(産官学連携グループ)、株式会社インターアクトジャパン

第1回「知る・試す」から、第2回「考える・選ぶ」へ

第1回では、カム機構を使ったからくり工作に取り組み、回転運動を別の動きに変える仕組みを、実際に手を動かしながら学びました。

今回の第2回では、「仕組みを知る」ことから一歩進み、そのような仕組みを使って、自分なら何を実現してみたいかを考えました。

今回のテーマ

「あったらいいな」を自由に考え、それを人と話し合いながら、実際につくるものへ近づけていく。

1.大学生の「考えて、つくった」経験からスタート

最初に、メイカーズクラブ若手会「CYT」の大学生メンバーが、自分自身の設計・製作経験を紹介しました。

頭の中にあったアイデアをどのようにスケッチし、そこから実際につくれる形へ変えていったのか。完成したものだけではなく、途中で考え直したことや、つくってみて変更したことも含めて紹介しました。

ものづくりの先輩から
最初に考えた通りに完成しなくてもいい

実際につくってみると、考えていた通りにはいかないことがあります。そこで考え直し、変えながら形にしていく。その過程も、ものづくりの大切な部分です。

2.まずは自由に、「あったらいいな」を出してみる

15名の生徒は、3人ずつ5班に分かれました。最初から「これをつくる」と決めるのではなく、まずは付箋に、思いついたことを自由に書き出します。

「こんなものがあったらいい」「こんなものをつくってみたい」。遊びに関するもの、便利なもの、身近な道具など、さまざまなアイデアが出ました。

付箋に書いたアイデアを遊びや便利などのグループに分けて整理したKJ法の模造紙

付箋に思いついたことを書き、似たアイデアをまとめながら班で話し合いました。

KJ法で、考えを見える形に

出てきた付箋を並べ、似たものを集めたり、関係を考えたりしながら整理しました。自分だけで考えていたときにはなかったアイデアも、友だちの考えを見ることで広がっていきます。

探究のポイント

最初から正解を探すのではなく、まず自分が「おもしろそう」「やってみたい」と思うことを出してみる。そこから、人の考えを聞きながら自分たちの問いをつくっていきます。

3.話し合って、「自分たちは何をつくる?」を決める

たくさん出てきたアイデアの中から、班で話し合い、「自分たちは何をつくってみたいのか」を決めました。

誰か一人の考えをそのまま採用するのではなく、それぞれの「やってみたい」を持ち寄りながら、班として一つのテーマを選んでいきました。

5つの班のテーマ
  • 自販機
  • スロットマシン
  • クレーンゲーム
  • DSを振動させる機械
  • チェーンソー

名前だけを見ると、かなり大胆なテーマもあります。この段階では、「本当に全部つくれるか」を気にしすぎず、まず自分たちが何を実現したいのかを大切にしました。

4.頭の中のアイデアを、絵と仕組みにする

テーマが決まったら、次は模造紙にスケッチします。

見た目だけではなく、「どこが動くのか」「何を押すのか」「どこから何が出てくるのか」など、実際に使う場面を考えながら仕組みを書き込んでいきました。

クレーンゲーム

中学生が模造紙に描いたクレーンゲームの設計アイデア

クレーンの移動方向、景品をつかむ部分、操作する仕組みなどを描き込みました。既存のクレーンゲームを参考にしながら、自分たちがほしい機能を考えています。

スロットマシン

中学生が模造紙に描いたスロットマシンの設計アイデア

数字や絵柄が並ぶ部分、ボタンやレバーなど、「操作すると何が起こるのか」を考えながら設計しました。

自販機

中学生が模造紙に描いたジュース自販機の設計アイデア

ジュースを入れる場所、押しボタン、飲み物が出てくる部分などを考え、中の動きまで矢印を使って表現しています。

「絵を描く」から「設計する」へ

「こんな形にしたい」だけでなく、「どう動かすのか」「人はどう使うのか」を考え始めると、アイデアは少しずつ設計へ変わっていきます。

5.夢いっぱいのアイデアから、「絶対に譲れない一つ」を選ぶ

模造紙には、「これも付けたい」「ここも動かしたい」と、たくさんのアイデアが盛り込まれました。

でも、第3回では実際にものをつくります。使える材料や時間には限りがあり、すべての機能をそのまま実現することはできません。

最後の問い
「このアイデアの中で、絶対に譲れない機能はどれ?」

それぞれの班で話し合い、「この機能だけは必ず実現したい」というものを一つ選びました。

「選ぶ」ことも、ものづくり

自由に発想するだけでなく、限られた条件の中で何を一番大事にするのかを決めることも、ものづくりの大切なプロセスです。自分たちが本当に実現したいことは何なのかを、もう一度考える時間になりました。

6.この回で生まれていた学び

今回の活動で行ったのは、単なる「工作のアイデア出し」ではありませんでした。

自分の「やってみたい」を、人と一緒に形へ近づける

・自分が興味を持つことを言葉にする

・他の人の考えを聞く

・班として一つの方向を決める

・使う人や動きを想像して設計する

・限られた条件の中で、何を一番大切にするか選ぶ

こうした経験は、実際のものづくりや仕事でも必要になるプロセスです。自分の考えだけで完結するのではなく、人と話し合いながら、できることと実現したいことの間を行き来して形にしていきます。

7.第3回はいよいよ、自分たちの設計を形に

第2回で生徒たちが考えた5つのアイデアをもとに、メイカーズクラブと若手会CYTが、第3回に向けて材料や部品、仕組みを準備します。

すべてを完成品として渡すのではなく、生徒たち自身が組み立て、試し、調整しながら、自分たちが選んだ「絶対に譲れない機能」を実現できるように準備します。

ここまでの学び

第1回|知る・試す
機構を実際につくり、「動きの仕組み」を知る。

第2回|考える・選ぶ・設計する
「あったらいいな」を出し合い、自分たちが実現したいものを決める。

第3回|つくる・工夫する・伝える
自分たちの設計を実際のものとして形にする。

継続した体験だからこそ

この取組では、一回の工作で完成品を持ち帰ることだけを目的としていません。仕組みを知り、自分の「やってみたい」を考え、人と話し合い、設計し、それを実際につくるところまでをつなげています。

「やってみたい」を形にする過程そのものを体験する

考えたものがすべてそのまま実現するとは限りません。人と話し、選び、試し、時には考え直す。そのプロセスを経験することを、この継続的なものづくり活動では大切にしています。

ご協力ありがとうございました

本活動は、大阪市総合教育センター(産官学連携グループ)との連携により進めています。また、株式会社インターアクトジャパン様にも、ものづくりに必要な材料費をご支援いただいています。

長谷川中学校の皆さま、大阪市総合教育センター(産官学連携グループ)の皆さま、株式会社インターアクトジャパンの皆さま、ありがとうございました。

NPO法人 メイカーズクラブ

ものづくりを通して、子どもたちの「やってみたい」を応援しています。学校・地域・企業と連携し、ものづくり、探究、キャリアにつながる体験の場をつくっています。

著者プロフィール

技術者を夢見る、ものづくりの好きな小中学生を対象に、自分で考え工夫する頭と専門知識につながる基礎の基礎を学べる工作体験、そして、技術者との交流による心と夢の成長の機会を提供しています。 こどもたちが、自分の工夫と試行錯誤いっぱいの工作体験で、人生を幸せに生き抜いていくための、「自分の頭で考える力」と「タフな心」を楽しく身につけていけるよう手助けをする、工作支援の活動です。 親子で、みんなで繋がって「好き」と「みらい」をつなぎ育てていきましょう。