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おりがみランタン工作教室(田尻町)
2025年12月13日(土)、大阪府田尻町公民館(視聴覚室)にて、小学生向けものづくり講座「わくわく★エンジニア体験 おりがみランタン工作教室」を開催しました。
本講座は、田尻町企画人権課の主催により実施され、NPO法人メイカーズクラブが講師を担当しました。当日は、小学3〜6年生の子どもたちと保護者が参加し、折り紙を使った「光るランタン」を制作しました。
宇宙技術にも使われる折り紙
今回の工作では、宇宙開発にも応用されている折り構造「ミウラ折り」を紹介しました。人工衛星の太陽電池パネルの展開構造などに使われている折り方で、紙が伸びたり縮んだりする独特の動きを体験できます。身近な折り紙が宇宙技術につながっていることを紹介すると、子どもたちは興味深そうに話を聞いてくれました。
模様を描いて、光るランタンを制作

折り方を練習したあと、ミウラ折りに似た「吉村折り」に挑戦。ランタンに自由に模様を描き、折り構造を使って筒状に組み立てます。最後にLEDライトを入れると、描いた模様が浮かび上がるランタンが完成しました。同じ材料でも、模様や折り方の表情が少しずつ違うため、それぞれ個性的な作品ができあがりました。ライトを点灯した瞬間には「きれい!」「光った!」と子どもたちの笑顔も輝きました。
作品

カラフルなランタンの土台ランタンの台座には、色とりどりの星やハートのシールを貼ってデコレーション。光が点いたときに楽しく見えるよう、自分らしい模様を工夫していました。
淡い緑の台座に、星のシールをバランスよく配置したシンプルでバランスの良いデザイン。シンプルながらも、光が当たると模様がきれいに浮かび上がるデザインになっています。
完成したランタンと一緒に
ミウラ折りの構造を使ったランタンが完成。折りの立体的な形が美しく、光を入れると模様がやさしく浮かび上がります。
この作品は、通常のミウラ折りランタンの上に、完全に平面に折りたためる応用の折り方で折ったパーツを重ねたものです。時間内にここまで仕上げるのは簡単ではありませんが、手際よく作業を進め、きれいに完成させていました。折り紙の構造を理解しながら挑戦した、工夫と集中力が光る作品です。
折り紙の不思議に挑戦した小学生の作品
今回の工作では、ミウラ折りの角度を変えて完全に平面にたためる形になる応用の折り方も紹介しました。本来は時間の関係で「家に帰ってからチャレンジ」という予定でしたが、さっそくその場で挑戦する参加者もいました。彼のおかげで、折り方を工夫すると形が変わるという、折り紙の不思議にも触れる機会となりました。
一歩先行く理工系の先輩たちとの交流
当日は、メイカーズクラブ若手会CYTの理工系学生だけでなく、大阪公立大学工学部航空宇宙工学科の大学生2名が工作サポーターとして参加してくれました。子どもたちの制作をサポートしました。
先輩達から今取り組んでいる興味関心について自己紹介
講座の冒頭では、当日サポートに来てくれた大学生・大学院生の先輩たちから自己紹介がありました。それぞれ、現在取り組んでいる研究や大学での学びについて紹介しました。
空や宇宙を飛ぶ乗り物の仕組みを研究している先輩
最初の先輩は、飛行機や人工衛星、ロケットなど、空や宇宙を飛ぶ乗り物のしくみを研究する 航空宇宙工学 を大阪公立大学 工学部 航空宇宙工学科の 佃 絢太さん。航空機やロケット、人工衛星の写真を見せながら、大学ではどのような研究が行われているのかを分かりやすく説明しました。自己紹介の最後には、「失敗しても大丈夫。大学の研究でも、失敗から新しい発見がたくさん生まれます!」というメッセージが子どもたちに伝えられ、子どもたちは興味深そうに話を聞いていました。
火星探査の研究をしている先輩
大阪公立大学 工学部 航空宇宙工学科の 井上翔太さん は、宇宙や惑星を探査するための技術を研究しており、現在は「火星を飛ぶ飛行機(探査機)」の研究 に取り組んでいます。火星のような地球とは環境の異なる場所で飛行機を飛ばすには、空気の薄さや重力の違いなど、さまざまな条件を考える必要があります。井上さんは、そうした環境でも飛べる飛行機の仕組みについて研究しているそうです。スライドでは、火星探査機のイメージや中学生時代の写真も紹介され、子どもたちは大学生の研究に興味を持って話を聞いていました。
木材の壊れ方を研究している先輩
三人目の学生サポーターとして、
京都府立大学大学院 生命環境科学研究科 中谷允則さん は、木材がどのように壊れるのかというテーマを研究して います。木材は家具や建物など、私たちの生活の中で広く使われている材料ですが、どのような条件で壊れるのか、どこから壊れ始めるのかなどを調べることで、より安全で丈夫な材料の使い方につながります。スライドでは、木材の破壊の様子を観察する実験の写真や、家具の構造などの例を示しながら、「木材ってどうやって壊れる?」という研究テーマを子どもたちにも分かりやすく紹介してくれました。
さまざまな工学分野で学ぶ学生たちの姿は、子どもたちにとって少し未来の自分を想像するきっかけにもなったことと思います。
学生サポーターと一緒にものづくり

講座の中では、こうした先輩たちが子どもたちの隣で作業をサポートしながら、折り方のコツを教えたり、一緒に作品づくりを楽しんでいました。折り方に悩む場面では、学生が横に座って一緒に考えながら作業を進め、子どもたちは安心して制作に取り組んでいました。
参加者の声
- 「折り紙と工作が好きなので参加しました。」
- 「学校ではなかなか体験できない内容だったので申し込みました。」
- 「珍しい内容で、新しい技術にふれる機会だと思いました。」
- 「ものづくりは楽しいですね。」
- 「もっと時間があればよかったです。」
また保護者からは、
子どもの納得感の話が心に残りました。
子どもたちの可能性をつぶしてしまわないよう、しっかり話を聞く時間を取りたいと思いました。
という感想も寄せられました。
ものづくりから広がる学び
今回の講座では、身近な折り紙を入り口に、
- 工学の発想
- 宇宙技術とのつながり
- 自分で工夫して作る楽しさ
を体験してもらうことができました。
メイカーズクラブでは、子どもたちが「つくる楽しさ」を通して科学や工学に興味を持つきっかけとなる活動をこれからも続けていきます。

