目次 [閉じる]
開発の目的
本教材は、電気工作の技術や構造の原理を、体験的・創造的に学ぶことを目的として開発されました。
工作を通じて、モーター制御・プーリーシステム・照明・回転構造など、複数の要素を統合的に理解できる設計を目指しました。
設計の工夫と特徴
■ プーリーシステムの応用
モーターの高速回転を2段階のプーリー伝達により減速。
これにより、灯篭の回転に緩やかで優雅な動きを与え、視覚的な癒しや静けさを演出できるようにしました。
■ 照明の工夫
豆電球を使用し、LEDにはないやわらかな光のゆらぎを実現。
回転にあわせて生まれる拡散光と影のコントラストが、幻想的な空間を生み出します。
■ 二重構造による影絵投影
灯篭内部には、固定された外側構造と、回転する内側構造を組み合わせた設計を採用。
これにより、影が独立して動き続ける視覚効果が得られ、科学と美術が融合する教材となりました。
試行錯誤の記録
教材完成に至るまで、以下のようなプロトタイプ検討を経ました。
-
アイデア1:メリーゴーランド方式
→ モーター直結による高速回転で、灯篭が激しく揺れ、美的効果が損なわれた。 -
アイデア2:影絵方式
→ 外側・内側構造が同時に回転してしまう問題が発生。独立した動きが得られず再考。 -
改良案:法隆寺五重塔の「心柱」構造に着目
→ 外側構造を「固定せずに安定させる」ことで、内側のみが回転する独立構造を実現。
教育的価値と今後の活用
この教材は、モーター制御・伝達・構造設計・光の性質といった理工系の基礎概念を実体験を通して学ぶことができます。
今後は、リトミック工作や親子講座などでの導入を想定し、年齢層に応じた応用展開を計画中です。