CYT初主催「わくわく秋の工作教室」開催報告 ― ゼンマイ式乗り物づくりで広がる探究の時間

CYT初主催「わくわく秋の工作教室」開催報告 ― ゼンマイ式乗り物づくりで広がる探究の時間

わくわく秋の工作教室(CYT初主催)実施報告
― ゼンマイ式乗り物づくりを通した探究と出会い ―

2025年10月25日(土)、倉治公民館にて、メイカーズクラブ若手会 CYT(Creative Youth Team)による初主催の工作教室
「わくわく秋の工作教室」を開催しました。
定員6組を大幅に超える応募があり、当日は10組の子どもたちと保護者の方に参加していただきました。

本教室では、ゼンマイと歯車を用いたオリジナル乗り物づくりを通して、機構の仕組みを自らの手で作りながら学ぶことを目的としました。

CYTによる充実したサポート体制

今回の特徴は、参加者2組に対してCYTメンバー1名を配置した点です。
理系の学生や若手社会人からなるCYTのメンバーが、制作のサポートだけでなく、子どもたちの問いかけに丁寧に答えたり、理系進路や大学院での研究の話を交えたりすることで、「ものづくり」と「理系の学び」を自然に感じてもらえる関わりを行いました。

工作の時間を通して、参加者にとっては、ゼンマイや歯車の仕組みだけでなく、理系分野に進む身近なロールモデルと出会う機会ともなりました。

当日の流れと子どもたちの姿

参加者は少人数ごとのテーブルに分かれ、ゼンマイの巻き方、歯車のかみ合わせ、車軸の位置調整など、ひとつひとつの動きを自分の目と手で確かめながら制作を進めました。
思い通りに動かない場面も多くありましたが、原因を考え、試行錯誤を重ねること自体が貴重な学びの時間となりました。

CYTメンバーは、子どもたちのつぶやきや気づきを受けとめながら、次の説明につなげる工夫を行い、最後まで自分の力で完成させることを丁寧に支援しました。

窓口支援(メイカーズクラブ正会員)による振り返り

子どもたちが、うまくいったりいかなかったり、いろいろな気持ちを味わいながら、普段触れることの少ないゼンマイ工作に目を輝かせて取り組む様子を拝見し、私もとてもうれしくなりました。

「この車は、なぜ走るの?」と尋ねたときに、子どもたちがそれぞれの言葉で答えてくれました。自分で作ったからこそ、仕組みを自分の言葉で説明できるのだと感じました。

作成中の子どもたちのつぶやきを受けとめて次の説明に取り入れてくださったり、思うようにいかないときに優しくサポートしてくださったりするCYTの皆さんの関わりから、学びが一層深まっていると感じました。

保護者から寄せられた声

少人数グループと丁寧な説明について

初めから少人数グループに分かれて進めていただいたことがとても良かったです。全体説明だけだと、子どもに気を取られて聞き逃してしまうこともありますが、近い距離で教えていただいたことで、子どもが安心して質問できていました。

説明がとてもわかりやすく、少人数であったことで、子どもたちと教えてくださる方の距離が縮まり、対話的な学びになっていたと感じました。

家に帰ってからも続く学び

帰宅後、箱を並べて段差を作り、その上を走らせていました。途中で止まる場所や、まっすぐ走らないことに気づき、自分で工夫しながら試していました。遊びながら学んでいる姿が印象的でした。

動きがスムーズではなかったため、いただいた説明書を見ながら家でもう一度組み立て直し、うまく走るようになりました。自分で一から作る経験を通して、仕組みを理解しながら学べたと感じています。

「自分でやりたい」を尊重する場として

最後の調整で思うように回らず苦戦していましたが、部品一つ一つの動きを自分で確認しながら、「なぜうまくいかないのか」「どうすればよいか」を考え、アドバイスを受けながら作り上げることができました。

「自分でやりたい」という気持ちを大切にしていただき、本当にありがたく感じました。少人数グループだったからこそ、こうした関わりができたのだと思います。

理系への興味・自信につながる体験

子どもが質問コーナーで発言し、講師の方に褒めていただいたことが大きな自信になったようです。大人にとっても内容がわかりやすく、楽しく学べる時間でした。

CADソフトのお話にも興味を示しており、今後の学びのきっかけになりそうです。このような機会を今後も継続していただきたいと思います。

CYTからのメッセージ

CYTは、メイカーズクラブの中で活動する若手の理系チームです。これまでメイカーズクラブの工作教室を支える立場として経験を重ねてきましたが、今回は、企画・準備・運営を自ら担う初めての機会となりました。

子どもたちが「なぜこう動くのか」と問い、試行錯誤を繰り返しながら答えを探していく姿に、私たち自身も多くを学びました。今後も、ものづくりを通じて、考えることと挑戦することの楽しさを伝えられる場をつくっていきたいと考えています。

開催概要

  • 日時:2025年10月25日(土) 15:45〜17:15
  • 会場:倉治公民館(大阪府交野市倉治1丁目1−5)
  • 参加者:10組
  • 対象:小学4年生以上(小学2・3年生は親子参加)
  • 参加費:無料
  • 主催:NPO法人メイカーズクラブ 若手会 CYT
  • サポート体制:参加者2組につきCYT1名

今後の予定

多くのご家庭から「また参加したい」という声をいただきました。CYTでは、今後も子どもたちの好奇心と探究心を育む工作企画を継続していく予定です。次回の開催情報は、メイカーズクラブ公式サイトにてお知らせします。

著者プロフィール

技術者を夢見る、ものづくりの好きな小中学生を対象に、自分で考え工夫する頭と専門知識につながる基礎の基礎を学べる工作体験、そして、技術者との交流による心と夢の成長の機会を提供しています。 こどもたちが、自分の工夫と試行錯誤いっぱいの工作体験で、人生を幸せに生き抜いていくための、「自分の頭で考える力」と「タフな心」を楽しく身につけていけるよう手助けをする、工作支援の活動です。 親子で、みんなで繋がって「好き」と「みらい」をつなぎ育てていきましょう。