Maker’s Clubみんなの工作博物館
工作しよう

S君の工夫で劇的に進化したモーターロボ(はなみずきモーター工作教室より)

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はなみずきモーター工作教室でのできごと

はなみずき工作教室は『はなみずき基金』の助成により、ドーン財団とメイカーズクラブの共催で開催された工作教室です。完成したロボットをいざコースで試走させてみると、床が滑らかすぎて滑って思うように進みません。さぁ、ここからメイカーズクラブならではの「工夫する工作」の始まりです。
そんな中、S君があることを思いつきましたが、すんなりいきません、それでもあきらめない彼はいくつも工夫を重ねて最後には、これまでメイカーズクラブが見てきた中で最速のロボットを完成させました。これは彼の試行錯誤とそれに寄り添ったお母さんの物語です。

まずは、S君の工夫による最終形態の最速ロボの動きをご覧下さい

工夫する前のロボットの動きはこちら。
Sくんの工夫により生まれた爆走ロボットがこちら。

圧倒的な速さだけでなく、リモコンコントロール性能も上がっています。

工夫の道のり

ドーンセンターの会場は床が滑らかだったため、モーターの軸の回転で走る仕組みだったロボットは、軸である脚が滑ってしまって、うまく走ることができませんでした。

 

参加した小学生たちはそれぞれに色々な工夫を始めました。話し合いも自然に生まれます。
「本当は、シリコンチューブがあると滑り止めになっていいんだけど、、、」
「じゃぁ、輪ゴムをつけたらいいんじゃないかな?」
「でも輪ゴムないなぁ」
「ビニールテープはどう?」

早速、S君がビニールテープを四角く切って、脚に貼り付けてみます。モーターを回すと、ビューン。ビニールテープが遠心力でどこかに飛んで行ってしまいました。それで、次に、横に一周テープを巻いてみたらどうかな。S君は、アイデアをどんどん形にしていきます。それで誕生したのが、あの爆走ロボットです。

(上の図は、S君がした工夫を再現したものです)

こうやって完成したのがS君爆速ロボットです

このように、参加した小学生同志やCYTとの語り合いの中で、S君がアイデアを実効的なものに高めていった結果が、あのロボットです。メイカーズクラブは、ものづくりを通じて、社会で自分の個性を輝かせる生きる力を育てることが目的です。「夢をカタチにするところ」というキャッチコピーはそういう思いです。重心が前にありすぎるのを工作のサポート用具として提供していた洗濯ばさみを後ろにつけることで、コントロール性能を挙げていた小学生も居ました。参加した小学生とS君がそれぞれに工夫して自分だけのロボットを試行錯誤しながら作っていく過程に、若手チームCYTも学びを得たことと思います。メイカーズクラブも力を頂きました。
S君が作ったロボットの足

それぞれの感想

Sくんの感想
普段できないロボットを作ったりすることができて楽しかったし、教えてくれる人がみんな優しくてまた行きたいなってなりました。

お母さんの感想
学校の授業で回路は習いますが、
それだけではなく「どうすればスムーズに動くのか」を考え、工夫するところまで体験でき、とてもいい経験になりました。

メイカーズクラブからのS君へのメッセージ

Sくんへ
「Youtube見ながらドラゴンとかの折り紙を折るのが好き」と言っていたS君は、本当に丁寧にものづくりに取り組んでいました。リモコンになる牛乳パックに、電気が流れるようにするための銅テープを貼る時に、キチンと角が揃うように何度も張りなおしていた姿が印象的でした。ものづくりは丁寧な仕事の一つひとつの積み重ねです。Sくんのアイデアのすばらしさをあなた自身のものづくりへの丁寧なこだわりが、ロボットに高速スピードの動きを与えたのですね。素晴らしいことだと、CYTもメイカーズクラブも、そして、ドーン財団・ドーンセンターの皆さんも感動を頂きました。あなたらしいものづくりでみんなに感動を与えてくれてありがとう。
メイカーズクラブ代表・中谷敬子

メイカーズクラブの思い

「イノベーション」は、「革新(かくしん)」と訳されます。革新は、新しいアイデアやテクノロジーを導入し、改善や進歩をもたらすプロセスを指します。日本でもイノベーションはビジネスや産業の分野で重要視されており、革新的な取り組みがさまざまな分野で行われています。メイカーズクラブはものづくり体験のプロセスを通じて、イノベーターを育てます。工作プロセスで獲得できることは、知識・技術を使いこなすマインドです。試行錯誤が、創造性と柔軟性、挑戦力と適応力、異分野間の拡大吸収力を育てます。
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